こんにちは。大津市まの鍼灸接骨治療院 院長の藤井です。
今回は、当院でおこなっている「星状神経節ブロック」という治療法のお話をしようと思います。
人間の身体というのは交感神経と副交感神経(自律神経系)がバランスよく切り替わることで、健康状態を維持しています。
日中の活動している時は交感神経が活発になり、就寝する時は副交感神経が活発になります。
そして、副交感神経優位(リラックスした状態)が最も健康であるといわれています。
しかし、病気や慢性的な痛みを患うと交感神経が優位になりがちになります。
いわいる全身が戦闘モード全開になり自律神経系が乱れ始め内臓の働きが低下してホルモンバランスが悪くなり、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかなくなるのです。
このような状態は身体のバランスが壊れているため、本来備わっている自然治癒力というのは発揮されません。
首には交感神経が密集している部位「星神経節-せいじょうしんけいせつ」という非常に重要なものがあります。
専門病院ではこの星状神経節という部位に、麻酔薬を注射して交感神経の興奮をブロックして痛みループを強制的に遮断することで自然治癒力をうながします。
じつはこの治療法はペインクリニック(麻酔科)の領域で発展したものなんです。ペインクリニックというと「注射・薬・鍼灸・食事指導・運動指導」を組み合わせて、痛みの局所や関連する部位に麻酔薬を注射して「神経ブロック」をおこなう痛みに特化した分野をいいます。
そのなかでも、この星状神経節ブロックは全体の70%といわれるほど頻繁におこなわれている治療なんですね。
要するに、「それだけ効果がある」ということなんです。
・星状神経節ブロックで効果が期待できる症状
➀眼疾患
網膜血管閉塞症・緑内障性視神経萎縮・加齢黄斑変性・眼精疲労・網膜色素変性症・糖尿病性網膜症・眼筋麻痺・眼窩神経痛・中心性漿液網脈絡症・仮性近視
➁皮膚疾患
円形脱毛症・慢性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・湿疹・皮膚潰瘍・褥瘡・帯状疱疹
⓷整形外科疾患
捻挫・骨折・腱鞘炎・関節痛・リウマチ・靭帯損傷・腰痛・肩こり・頚肩腕症候群・肩関節周囲炎
④耳鼻咽喉疾患
突発性難聴・顔面神経麻痺・帯状疱疹後の神経痛・アレルギー性鼻炎・花粉症
⑤口腔疾患
顎関節痛・咀嚼筋症候群・歯槽膿漏
⑥神経・筋疾患
レイノー病・脳卒中後の片手症候群・筋緊張性頭痛・自律神経失調症
とかなり適用範囲が幅広い治療法なのですね。これだけでもすごいですよね。
ん~、素晴らしい!
しかし、です。
星状神経節に対する注射はピンポイントで的確におこなわれないと、数時間声がかすれたり物が呑み込めない嚥下障害がおこる危険性もあります。
いわいる、注射する側もされる側もリスクがあるのです。
そこで登場したのが、この「スーパーライザ―」です。
近赤外線という特殊な光線を、星状神経節に照射することで興奮し過ぎている交感神経をブロックして全身をリラックスした状態へ導き自然治癒力を高めます。
要するに、星状神経節ブロック注射と同様の効果が期待できるのです。
しかも、「安全」にです。
最近では、麻酔科以外の領域にも進出して「脳神経外科・眼科・内科・整形外科・耳鼻科・歯科・皮膚科・形成外科・美容外科」と、専門領域を乗り越えて幅広く活躍している治療法になっています。
その再現率は、なんと70~80%といわれています。
・交換神経に対する星状神経節ブロックの効果
交感神経の集合体である星状神経のバランスが壊れると、身体が過度に緊張して血液循環やホルモン分泌も悪化し、病気を跳ね返すための免疫力が低下してしまうため全身に悪影響を及ぼしてしまいます。
星状神経節ブロックをおこなうことで自律神経の司令塔である「視床下部-ししょうかぶ」にアプローチして、交感神経の過緊張による全身のストレスを緩和してくれます。
自律神経系にアプローチして全身をリラックスモードへと導いてくれるので、全身の血管が広がり身体がポカポカしてきます。この「血流改善」こそが自然治癒力を高めて、慢性疾患の症状を緩和したり体質改善をおこなううえで大変重要なこととなります。
脳の血流が改善するというのは、認知症予防や脳の病気にも良いことですね。
ちなみに、「ここが痛いんよ!」という痛みを感じている部位に、直接スパーライザーを照射するだけでも十分効果があります。
お肌に照射するとターンオーバーを促進して、コラーゲンの生成を活性化させるため美肌効果があるといわれています。皮膚のトラブルにも有効ですね。
当院の基本治療をご紹介いたします・・・
脊椎治療(背骨のゆがみを整えます)
鍼灸(自律神経の乱れを整えます)
を組み合わせたトータル治療をメインにおこなっております。
自律神経をコントロールしているのは、脳から背骨のなかに通っている「脊髄-せきずい」といわれるものです。脊髄は、首から骨盤にかけて24個の背骨によって外部の刺激から守られていて頸椎7コ・胸椎12コ・腰椎5コというぐあいに分かれています。
そして、大きく分けて
後頭骨・頸椎1~5・骨盤 → 副交感神経
頸椎6~腰椎5 → 交感神経
仙骨 → 交感神経&副交感神経
運動神経40%
知覚神経20%
自律神経40%
という具合に部位によってそれぞれの分布が異なります。
特に、ホルモンの産生工場といわれる甲状腺(頸椎4~胸椎3)や副腎(胸椎9~12)レベルの背骨がサブラクセーション(ゆがみ)を起こし神経圧迫があると、本来身体から分泌されるべきホルモンがでなくなるので病気を発症したり身体の不調を訴えるようになります。
すると、不足しているホルモンを外部から補う必要がでくるのです。
それが、人間が作った人工的なホルモン・・・薬です。
私はアンチ西洋医学ではないので、必要な時にはお薬をきちんと飲むべきだと思っています。しかし、あまりにも過剰な投薬や目的のない長期間の服用はオススメしません。なぜなら、副作用や内臓に過度の負担がかかるリスクがあるからです。
当院での基本治療は、「鍼灸治療 → 筋肉や神経・脊椎治療 → 関節や神経」にアプローチすることで背骨の神経圧迫や自律神経系を正常化させて自然治癒力を高めることで、根本的に健康状態を改善することができます。
星状神経節ブロックを組み合わせることで、さらに治療効果が倍増されて慢性的な不調でお悩みのあなたの体質改善を手助けをしてくれるでしょう。
あなたがお身体の不調で真剣にお悩みならご相談ください。お悩みごとを解決するためのお役に立てると思います。
(柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 藤井康徳 監修)