臨床のご報告(50代 女性 TMJ 顎関節症)
【➀来院にいたるまでの経緯】
子供のころらから歯並びが悪く、20代までに3回歯科矯正をおこなう。現在は下顎にインプラントをほどこしている。
さまざまな整体に通院したものの、数年前からギックリ腰をくり返すようになり、「頭痛・胃腸不調・視力低下・浮腫・便秘・関節痛」などさまざまな健康問題があらわれるようになった。
20代の頃には、「交通事故」や「右足捻挫(3回)」している。
数ヶ月前からは歩くときに「ひざ裏の痛み」があらわれて、「背中のしびれ感」もあらわれはじめたため、限界を感じて当院のホームページをみて来院。
【②初回の状態】
右腰背部に筋緊張、浮腫、最大圧痛点
L:ASIN(S2P-L)
R:PIEX
L5PRI-M
T7PRI-T
T1PRI-L
C1ASRA
蝶形骨
【③治療経過と内容】
「右腰部の筋緊張」や「浮腫」が強くて、右仙腸関節の動きが悪くなり短下肢があらわれていた。また「天候の影響」により頭痛がおこっていたので、「化学物質の問題」を考慮して、まずは副交感神経系にしぼりPIEXからアジャストを開始する。
C1はASRAのリスティングをしめしていて、TMJ顎関節にたいしては「右下方変位、左上方変位」のゆがみを誘発していた。
2回目には、頭痛やひざ裏の痛みは消失していた。(C1ASRAをアジャスト。TMJは前下方変位。)
3回目には、腰痛は消失して全体のバランスは改善していたものの、「2回目TMJの施術をおこなった翌朝に、反対側の顎関節が痛くなった」とのこと。(状態を見極めるとC1ASLのリスティングをしめしていた)
※お話しを聞いて見極めたところ、「ゆがんだ顎関節」にあわせて調整したマウスピースをはめて就寝したときに、食いしばったことが原因となり「人工的に作られた顎関節症」があらわれていたことが判明したため、「就寝時にはマウスピースをはずすよう」にアドバイスさせていただいた。
4回目には、マウスピースがつくる人工的サブラクセーションの影響による顎関節症は消失したため、「やっとバランスよく噛めるようになりました」と、たいへん喜んでいた。(土台が安定してきたため、T7のアジャストメントを開始)
5回目には、土台も安定したことで背骨のサブラクセーションも改善して、「神経のバランス」があるべき状態になったことで、初回に悩んでいた健康問題はすべて解消した。
現在では月1回のメンテナンスをおこない、良い状態を維持してプライベートやお仕事も、充実した日々をすごしている。
【④考察】
もともと骨盤PIEXの影響が強く、なんども足首をケガしてしまい「土台の安定性」が低下してきたところに、交通事故がかさなりさらに状態を悪化させて顎関節TMJにも悪影響をおよぼした。
首のゆがみにかんしては、「子供の頃から歯科矯正をおこなっていたということで、もともと「分娩時の影響」か「幼少期の外力」などの影響もあったのではないかと考察する。
生身の体にたいする「人工的なアプローチ」は、とても厄介な「人工的につくられるサブラクセーション」を誘発することを、あらためて実感した。
根本原因を見極めてサブラクセーションをあるべき状態にアジャストメントすることで、患者さんの「生まれてもった治る力」がきちんとはたらきだし症状は改善していった。
監修:まの鍼灸接骨治療院 藤井康徳
(柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 藤井康徳 監修)
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