目次
鍼灸治療とは
鍼灸治療の主な効果
鍼灸治療は、
- 体調不良の改善
- 免疫力強化
- 内臓機能の正常化
- 血流を良くする
- 自然治癒力を高める
など様々な効果があります。最近の研究では、鍼灸治療後に免疫の主体であるリンパ球・白血球が通常の3倍増加し、その効果は3日間ほど持続するということが科学的に証明されています。近年では西洋医学では対処できない、難病への鍼灸治療もおこなわれています。
鍼って痛くないの?
一般的に用いる鍼の太さは0.16~0.20㎜と髪の毛より細く、基本的には痛みを感じない安全な鍼です。しかし、鍼を刺した際に筋肉がピクンと動く、響き(得気)という反応がでる場合があります。これは、状態が悪いほどこういった反応がでることもありますが、治療効果としては響きがある方が良い場合もあります。苦手な方は事前にお申し出ください。
また、当院の鍼は全てディスポータブルという使い捨ての鍼を使用しており、鍼をする前に滅菌パックから毎回新しい鍼を取り出して使用していますので感染などの心配はありません。
当院の鍼灸治療
鍼灸治療には、
- 西洋医学的な鍼灸
- 解剖学・生理学的にアプローチする方法
- 東洋医学的な鍼灸
- ツボを使って気・血・津液を調整する方法
の2つのアプローチ方法があり、それぞれ治療方法が異なります。
当院では、筋肉や関節の痛みに対しては西洋医学的に、難病や内科疾患に対しては東洋医学的というように、症状や身体の状態に合わせたアプローチ方法をおこなっています。
また、足湯で身体の深部体温を上げてから鍼灸や整体をおこなうと、治療効果が最大限発揮されます。
なぜ鍼灸は効果があるのか
肩こりや腰痛は、筋肉の柔軟性がなくなり血流が滞ることでおこります。血流が悪くなると痛み物質が溜まるため、筋肉がさらに固くなりしこりができてしまいます。そこで、鍼灸治療をおこなうと血流が良くなり老廃物質が流れて凝り固まった筋肉が柔らかくなります。
また、全身に361穴あるツボの中から治療効果の高いツボを選択して鍼灸をおこなうことで、自律神経が整い内分泌系や免疫系にも作用して身体のバランスを整えるため、自然治癒力が高まり未病状態が改善されます。
身体の免疫力が低下する原因
本来、身体にはケガをしたり病気になったりすると治癒させるための「治す力」や「保つ力」が備わっています。
運動不足、不眠、過食、職場や学校での対人関係による様々な、心理的ストレスや肉体的ストレスにより身体のバランスが壊れ、本来ある「治す力」や「保つ力」が機能しなくなってしまうと病気を発症します。
当院では、カウンセリングを通じて生活習慣を詳しくうかがい、症状の原因は何なのかを分析したうえで治療をおこなっています。
未病と予防
東洋医学では、病気の一歩手前の状態を[未病 – みびょう –]といいます。未病とは、「検査では異常は見あたらないけど疲れやすい、身体が重い、心が落ち着かない、冷えやすい、眠りが浅い」という「なんとなく調子が悪い」状態をいいます。これらの症状は身体からの異常信号で、病気になる一歩手前の状態といえます。
このような状態の場合、鍼灸治療で自律神経を整え、免疫力や自然治癒力を高めることで、この未病状態を改善することができます。日頃から、未病状態を放置しておくと将来的な大病の原因につながるため、症状がなくても定期的に鍼灸治療をおこない未病状態を予防することが重要です。
病気への鍼灸
東洋医学では[病気]は、[未病 – みびょう –]から[病 – やまい –]の状況に進行した状態をいいますが、西洋医学の分野でも鍼灸治療の効果は注目されており様々な病気への効果が期待されています。NIH(アメリカ公立衛星研究所)は「鍼灸治療は病気に対する効果と、西洋医学の代替医療として有効である」と発表し、WHO(世界保健機関)が規定している国際疾病分類(ICD-11)に東洋医学の病名も加わることが決まっています。
WHOが効果を認めた病気や症状です
- 神経系
- 神経痛、神経麻痺、痙縮、脳卒中後遺症、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠、神経症
- 運動器系
- 関節炎、リウマチ、頚肩腕症候群、頸椎捻挫後遺症、五十肩、腱鞘炎、腰痛症、ケガの後遺症
- 循環器系
- 心臓神経症、動脈硬化、高血圧、低血圧、動悸、めまい
- 呼吸器系
- 気管支炎、喘息、風邪
- 消化器系
- 胃腸病(胃炎、消化不良、胃酸過多、下痢、便秘)、胆のう炎、肝機能障害、肝炎、胃十二指腸潰瘍、胃潰瘍、痔疾
- 内分泌系
- バセドウ病、糖尿病、痛風、脚気、貧血
- 泌尿器系
- 膀胱炎、尿道炎、性機能不全、尿閉、腎炎、前立腺肥大、ED
- 婦人科系
- 更年期障害、乳腺炎、白帯下、生理痛、月経不順、冷え性、血の道、不妊症
- 耳鼻咽喉系
- 中耳炎、耳鳴り、難聴、メニエル、鼻出血、鼻炎、蓄膿症、咽頭炎、扁桃腺炎
- 眼科疾患
- 眼精疲労、仮性近視、結膜炎、疲れ目、かすみ目、ものもらい
- 小児疾患
- 夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠、小児喘息、アレルギー性湿疹、耳下腺炎、夜尿症、虚弱体質の改善
このように、たくさんの病気に効果があることが証明されています。
鍼灸による難病治療
難病とは、治療方法が確立されておらず原因が良くわからない病気のことをいいます。特定疾患ともいわれており130種類の難病が認定されています。こういった難病治療は東洋医学(鍼灸)の知識と技術や養生訓で治るケースもあります。あるいは、治るまでに至らなくても苦しんでいた症状が緩和することで心身の状態や日常生活が改善されるケースは数多くあります。そのため、根気よく鍼灸治療をおこなうことが大切です。
(柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 藤井康徳 監修)