鍼灸治療

鍼灸治療について

鍼灸とは、経絡と呼ばれる生命エネルギーの通り道にある361個の経穴(ツボ)の中から、症状に合わせて適切なツボを選び、鍼や灸を施すことで「気・血・津液(しんえき)」のバランスを整え、健康上の問題を改善していく伝統的な療法です。  

また、鍼灸は身体にやさしい治療法でもあるため、子どもから大人まで安心して施術を受けていただけますので、どうぞご安心ください。

近年では、医療機関でも西洋医学と組み合わせた統合医療として鍼灸が取り入れられており、さまざまな健康課題の解決に役立つ方法として注目されています。

鍼灸の効果

鍼灸治療は、「特定の病気そのものを治す」というよりも、東洋医学の考え方に基づき、「東洋医学の証(しょう)」を導き出し、心と体を含めた全体のバランスを整えることで、健康上の問題を改善していく治療法です。

たとえば、  

  • 血のめぐりを改善する  
  • 免疫力を高める  
  • 内臓の働きを整える  
  • 痛みをやわらげる  

など、鍼灸治療にはさまざまな効果が期待できます。

最新の研究では、鍼灸を施すことで免疫細胞が通常よりも増加することがわかっており、その効果は約4日間持続することも科学的に証明されています。

さらに、つらい痛みを抱えた300人の患者さんを対象にしたある研究では、薬物によるモルヒネ鎮痛薬よりも、鍼灸治療のほうが痛みをやわらげる効果が高く、即効性もあることが証明されています。

鍼灸治療:92%の人が16分以内に痛みの軽減を実感
モルヒネ投与:78%の人が28分以内に痛みの軽減を実感

また、鍼灸治療は副作用が非常に少なく、依存性もないため、緩和ケアの現場でもその効果が認められています。さらに近年では、西洋医学では原因がはっきりしない難病に対する鍼灸治療にも注目が集まっています。

鍼は痛くないのか?

施術に使用する鍼の太さは0.16~0.20mmほどで、髪の毛よりも細いため、痛みを感じることはほとんどありません。

一方で、注射器の針は液体を通すための穴があり、皮膚にダメージを与えることがあります。しかし鍼灸で使う鍼は、長年の研究により、皮膚にダメージを与えにくい形状へと改良されています。

また、体のバランスが乱れていると、鍼を打った際に筋肉がピクンと動く「響き(得気)」という反応が起こることがあります。これは、体調がすぐれないときに現れる防御反応によって、過敏になっている状態とされています。

治療効果としては、響きがあるほうがよい場合もありますが、鍼を打つ前にきちんと説明を行い、ご本人の同意を得たうえで施術を行いますので、ご不安な方は遠慮なくお申し出ください。

お灸についても、肌がデリケートな方ほど火傷のリスクがあるため、当院ではやさしい温かさを感じる遠赤外線装置を使用し、安全性を高めています。

また、当院で使用する鍼はすべて「ディスポーザブル(使い捨て)」です。施術のたびに滅菌パックから新しい鍼を取り出して使用し、使用後はすぐに廃棄いたします。鍼灸用具も医療機関の基準に基づいた滅菌を徹底しておりますので、感染などの心配はありません。どうぞ安心して施術をお受けください。

さまざまな鍼灸のアプローチ方法

鍼灸治療は、紀元前2世紀ごろに編纂された古代中国の医書『黄帝内経(こうていだいけい)』をもとに発展し、約2000年以上の歴史を持つ伝統的な治療法です。
日本には飛鳥時代に、古代中国や朝鮮半島から渡ってきた僧侶(仏教の伝来とともに)がその技術を伝えたとされています。その後、江戸時代には、鍼灸・漢方・外科などを担う医師たちによって全国に広まりました。

そして近年では、科学的な研究の進展により、日本独自の鍼灸としてさらに発展を遂げています。

西洋医学的な鍼灸

悪くなっている筋肉に鍼を施すと、顕微鏡でしか見えないほどのごく小さな傷がわずかに生じます。すると体は、その傷ついた細胞を修復しようと、さまざまな物質を分泌し、自然治癒力を高めていきます。

当院では、まずカイロプラクティックによって不調の原因を整えたうえで、鍼灸を施し症状をやわらげます。

これにより、つらい症状を最短で改善へ導く、効果的なアプローチを行っています。

東洋医学的な鍼灸

東洋医学では、体内をめぐる「気・血(けつ)・津液(しんえき)」という生命エネルギーが、滞りなく流れていることが健康の基本とされています。運動不足やストレスなどでその流れが乱れたり不足したりすると、体調不良や病気を引き起こすという考え方です。

東洋医学では、こうした体の状態を見極めて「証(しょう)」を立て、鍼や灸を用いて「陰陽のバランス」や「気・血・津液の流れ」を整えることで、心身の不調を改善していきます。病気を単なる症状としてとらえるのではなく、心の状態を含めた全体のバランスを重視し「未病(みびょう)」――つまり病気になる前の不調――の段階からアプローチできるため、予防医療としても効果が期待されています。

鍼灸にはさまざまなアプローチがあり、それぞれの方法に特有の効果や特徴があります。

当院では、筋肉や関節の痛みには「西洋医学的アプローチ」を、難病や内科的な症状には「東洋医学的アプローチ」を用い、ひとりひとりの体の状態に合わせた最適な施術を行っています。

なぜ鍼灸は効果があるのか?

鍼灸治療を行うことで、体内で自然に分泌される「脳内モルヒネ(エンドルフィン)」が活性化され、つらい痛みをやわらげる高い効果が現れます。

また、血流が促進されることで、体のすみずみにまで酸素や栄養が行き渡るようになり、肩こりや腰痛といった慢性的な症状を根本から改善することにもつながります。

さらに、全身に張り巡らされた経絡(けいらく)の中から、症状に合わせたツボを選んで刺激することで、神経のバランスが整えられ、リラックス効果によってストレスの軽減も期待できます。

加えて、免疫細胞(NK細胞やリンパ球)の働きが活性化されることで、病気にかかりにくい体づくりにも効果があることが、科学的にも証明されています。

未病と予防

東洋医学には「未病(みびょう)」という考え方があります。
未病とは、健康と病気のあいだにある状態を指し、たとえば「冷えを感じる」「疲れがなかなか取れない」といった、病気ではないけれど何となく体調がすぐれない状態のことです。

いわば「心と体のバランス」が崩れはじめ、体から小さなSOSのサインが出ている状態ともいえるでしょう。

しかし、このような不調は病院で精密検査を受けても異常が見つからないことが多く、症状がうやむやにされてしまいがちです。

情報があふれ、変化の激しい現代社会では、知らず知らずのうちにストレスや疲労がたまり、体にさまざまな影響を及ぼしています。だからこそ、少しでも不調を感じたときに鍼灸を取り入れ、本来私たちの体に備わっている「健康を保つ力」や「病気を治す力」を引き出しておくことが、病気を未然に防ぐうえで大切です。

「最近なんとなく調子が悪いな…」と感じる方ほど、体のバランスが大きく崩れる前に、当院の鍼灸と整体を組み合わせた効果的なトータル治療をおすすめいたします。

鍼灸による難病治療

難病とは、現代医学においていまだ治療法が確立されておらず、原因もはっきりしない病気のことを指します。日本では「指定難病」として、340種類以上の病気が認定されています。

こうした難病に対しては、東洋医学のアプローチや、伝統に基づく養生の考え方を取り入れ、生活習慣を見直すことで、つらい症状が軽減されることもあります。

たとえ完治に至らなくても、鍼灸治療によって「心と体のバランス」を整えることで、症状がやわらぎ、病気の進行を抑えることにつながります。

当院では、少しでも安心して日常生活を送れるよう、患者さま一人ひとりの状態に寄り添いながら、症状の緩和と体質改善のお手伝いをしています。

鍼灸で効果が期待できる「病名」と「症状」

近年、西洋医学の分野においても鍼灸治療の有効性があらためて注目されています。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)では、「鍼灸治療は病気に対する効果があり、西洋医学の代替としても有効である」と発表されています。
さらに、WHO(世界保健機関)が定める国際疾病分類(ICD-11)には、新たに東洋医学の病名が加えられたことで、鍼灸の科学的根拠と有効性が国際的にも認められつつあります。

鍼灸治療が効果を発揮する主な症状・疾患

神経系
神経痛、神経麻痺、痙縮、脳卒中後遺症、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠、神経症

運動器系
関節炎、リウマチ、頚肩腕症候群、頸椎捻挫後遺症、五十肩、腱鞘炎、腰痛症、ケガの後遺症

循環器系
心臓神経症、動脈硬化、高血圧、低血圧、動悸、めまい

呼吸器系
気管支炎、喘息、風邪

消化器系
胃腸病(胃炎、消化不良、胃酸過多、下痢、便秘)、胆のう炎、肝機能障害、肝炎、胃十二指腸潰瘍、痔疾

内分泌系
バセドウ病、糖尿病、痛風、脚気、貧血

泌尿器系
膀胱炎、尿道炎、性機能不全、尿閉、腎炎、前立腺肥大、ED(勃起不全)

婦人科系
更年期障害、乳腺炎、白帯下、生理痛、月経不順、冷え性、血の道、不妊症

耳鼻咽喉系
中耳炎、耳鳴り、難聴、メニエール病、鼻出血、鼻炎、蓄膿症、咽頭炎、扁桃腺炎

眼科疾患
眼精疲労、仮性近視、結膜炎、疲れ目、かすみ目、ものもらい

小児疾患
夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠、小児喘息、アレルギー性湿疹、耳下腺炎、夜尿症、虚弱体質の改善

お悩みの方はぜひご相談ください

このように、鍼灸治療には多岐にわたる症状の緩和や体質改善に効果が期待されており、その有効性は世界的にも認められています。

「どこへ行っても良くならない…」とお悩みの方こそ、当院がご提供する鍼灸とカイロプラクティックを組み合わせたトータル治療を、ぜひ一度体験してみてください。

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(柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 藤井康徳 監修)