目次
【主訴】
腰椎椎間板ヘルニア
20代 男性
【既往歴】
なし
【来院にいたった経緯】
10代の頃からつらい腰痛に悩まされており、高校時代には腰椎椎間板ヘルニアにもとずくつらい症状により、専門医のアドバイスをうけながら過ごしていた。最近では慢性腰痛やしびれにより、２年ほど整体に通いつづけたもののつらい症状は改善しなかった。数カ月前には就労動作により、ふたたび腰痛としびれが悪化してしまう。
病院で検査をおこなうも「異常なし」と診断されて、痛み止めを服用しながらすごしていたが車を下車したときにふたたび増悪する。「このままではマズイ・・・」と不安になり、ホームページをみて当院へ来院する。
【初診の状態】
①左短下肢
➁左腰部から背部にかけて筋緊張
➂右骨盤に浮腫
※運動神経がダメージをうけつづけてたことで強いしびれがおこり、特定の動作で「下肢の痙攣」がおこる状態がみられた。
【治療経過と内容】
しびれなどの症状が強いものの、理学的検査にもとずいたレッドフラッグ所見はみられないため「緊急性はなし」と判断して「体のバランス」を見極めるための検査にはいる。
体のバランスを見極めていくと「左腰背部の筋緊張」がかなり強く、左骨盤サブラクセーションにより短下肢があらわれていた。今回のケースでは自律神経やホルモンバランによる問題ではなく、「筋骨格系サブラクセーション」であることを見極めてアジャストメントを開始することにあいた。
初回のアジャストメントでは、長年患っていた骨盤サブラクセーションが解消したことにより、可動域が改善して「症状の変化」を実感される。
2周目（2回目のアジャストメント）では、つらい痛みは１０→２へと軽減されており、日常生活でつらかった「立ち上がる動作」や「座っていられない痛み」はかなり改善した。L5の動きを見極めると、可動性はやや改善したもののいまだ動きが悪いためアジャストメントをおこなう。
３週目（3回目のアジャストメント）では、つらい痛みは１０→０～１に軽減されており本人もたいへん喜んでおられた。
4週目（4回目のアジャストメント）では、つらい痛みは消失して「神経症状があわられていた下肢の可動性」が回復した。当初悩みつづけていた「日常生活でのつらい動作」に支障はでなくなった。
５週目（5回目のアジャストメント）では、調子がすこぶる良好であるため大好きな運動を再開したことで、一時的に症状は悪化した。しかし、アジャストメントをおこなうことで「体のバランス」が整い、神経のダメージが解消されることでふたたび良好な状態へと戻った。
その後の経過・・・
※治療回数をかさねるごとにつらい症状は改善していき、特定の動作でおきていた「下肢の痙攣」も消失していった。現在ではメンテナンスのために1カ月に一回のメンテナンスを継続している。
※あのまま症状が悪化しつづけていれば、「医学的なレッドフラッグ所見」があらわれてしまい、緊急手術をおこなわなくてはいけない「危険な状態」であったと考察。
※当院へたどり着かれていなければ「つらい健康問題をかかえたまま社会生活をおくらねばならなかった」のではないかと思う。私は「未来のある若者」のお役にたてたことが、とても嬉しかった。
【考 察】
幼少の頃からもともと「脚を組む」や「片方に体重をかけるスポーツ動作」により、骨盤サブラクセーションがおこり「椎間板のバランス」が乱れはじめたところで椎間板ヘルニアを発症したと考察。
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また他の整体に2年ほど通院したものの「症状が変わらなかった原因」としては、根本原因である骨盤サブラクセーションが解消しきらないまま、トレーニングをさせられたため首にもダメージがかかりはじめて、より症状の増悪につながったと考える。はじめて来院した時には「前屈動作」すらできないほどのコンディションで、「両膝をかかえた状況」になると「左下肢の痙攣」がおこるほど神経のダメージは悪化していた。
さらに「髄核が破裂していない90％以上の椎間板ヘルニア」は、カイロプラクティックのアプローチで根本解消することができる。しかし、世の中にはその効能が正しく理解されていないため、乱雑な手技をうけてよけい症状を悪化させていたり、「椎間板ヘルニアをおこす根本原因」を解消しないまま手術にふみきり、症状を悪化させている人も少なくはない。
また根本原因を解消しないまま、痛みをやわらげるだけの薬物療法やブロック注射をおこない、状態が悪化しつづけている人たちがほとんどでもあることは残念でならない。技術力を高める研鑽をつみつづけがらも、世の中に「正しいカイロプラクティックの効能」を認知していただくための活動をしなければならないと痛感した。
根本原因を見極めてサブラクセーションをあるべき状態にアジャストメントすることで、患者さんの「生まれてもった治る力」がきちんとはたらきだし症状は改善していった。
（柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 藤井康徳 監修）
